令和5年度 岩手県立久慈病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 92 43 33 52 106 177 452 692 702 311
▶当院は、久慈医療圏(約5.4万人)において、救命救急センターを有した唯一の総合病院です。
▶救命救急センターでは、ドクターヘリの受け入れ等による超急性期治療を行い、併設する地域包括ケア病棟では、急性期からの転入や在宅からの受け入れ、並びに患者さんの在宅復帰支援を行っています。
▶「地域の人々の命と健康を守り、信頼される病院を目指す」病院理念のもと、地域の患者さんに安心して治療を受けていただくことができるよう職員一丸となって地域医療に取り組んでいます。
▶年齢別の退院割合については10歳未満と10代の患者については増加していますが、その他の年代では減少傾向にあります。退院患者数についても、脳神経外科の新規入院停止等の影響もあり、令和4年度実績と比較すると減少傾向となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 72 2.18 2.61 0.00 69.79
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 56 11.25 8.75 5.36 80.89
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 38 19.61 20.60 13.16 84.66
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 19 7.63 7.61 0.00 72.95
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 18 9.44 10.92 0.00 71.56
▶最も多い症例は「小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)」で、大腸ポリープが最も多く、1件を除き予定入院です。
▶2番目は「胆管(肝内外)結石、胆管炎」で、総胆管結石性胆管炎が最も多く、約70%が救急入院です。
▶3番目は「誤嚥性肺炎」で、全症例が救急入院となっています。
▶4番目は「胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術」で、内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術や内視鏡的消化管止血術を行うもので、全症例が予定入院です。
▶5番目は「胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)」で、内視鏡的消化管止血術を行うもので、全症例が緊急入院です。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 75 20.59 17.38 8.00 86.17
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 44 2.98 3.05 0.00 71.77
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 11.00 9.77 6.06 77.76
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 27 4.52 4.26 0.00 69.85
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 21 22.95 20.60 4.76 86.90
▶最も多い症例は「心不全」で、うっ血性心不全が最も多く、約87%が救急入院です。
▶2番目は「狭心症、慢性虚血性心疾患」で、無症候群性心筋虚血、労作性狭心症によるのものが多く、経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術を行うもので、約86%が予定入院です。
▶3番目は「徐脈性不整脈」で、完全房室ブロック、洞不全症候群によるものが多く、ペースメーカー移植術や交換術を行うもので、約50%が予定入院です。
▶4番目は「狭心症、慢性虚血性心疾患、経皮的冠動脈形成術等」で、経皮的冠動脈ステント留置術を行う症例が多く、約80%が予定入院です。
▶5番目は「誤嚥性肺炎」で、約96%が救急入院です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 5.64 6.37 0 1.84
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 15 5.47 5.96 0 2.47
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 10 3.3 5.64 0 2.5
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2なし - - 3.56 - -
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし - - 5.86 - -
▶最も多い症例は「喘息」で、全症例が緊急入院です。
▶2番目は「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症」で、RSウイルス細気管支炎やクループ性気管支炎によるものが多く、こちらも全症例が緊急入院です。
▶3番目は「ウイルス性腸炎」で、急性腸炎やノロウイルス性胃腸炎等が挙げられます。約90%が緊急入院です。
▶「熱性けいれん」は、全症例4歳以下であり、約90%が救急入院です。
▶「インフルエンザ、ウイルス性肺炎」は、全症例が救急入院です。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数(全国)以外を「-」表示しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 43 5.21 4.55 0.00 70.33
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 21 16.48 15.12 4.76 71.62
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 20 2.05 2.61 0.00 64.60
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 16 16.50 20.60 31.25 87.38
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 15 11.07 9.88 0.00 67.93
▶1番目は「鼠径ヘルニア(15歳以上)」で、鼡径ヘルニア手術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア術を施行したもので、約95%が予定入院です。
▶2番目は「結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍」で、約95%が予定入院であり、結腸の悪性新生物(腫瘍)にかかる傷病が最も多い症例です。
▶3番目は「静脈・リンパ管疾患 下肢静脈留手術等」で、全症例で下肢静脈留血管内焼灼術を施行しており、全症例予定入院です。
▶4番目は「誤嚥性肺炎」で約94%が救急入院です。
▶5番目は「乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術 (腋窩部郭清を伴うもの)」で、全症例が予定入院となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 50 38.30 25.50 50.00 82.16
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 44 2.43 4.76 0.00 67.23
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 32 34.03 19.34 31.25 81.16
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 13 33.69 18.32 0.00 56.62
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし - - 19.27 - -
▶最も多い症例は「股関節・大腿近位の骨折」で、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を施行しており、約20%が救急入院です。
▶2番目は「前腕の骨折」で、骨折観血的手術や骨内異物除去術を施行しており、全体の約90%が予定入院の症例です。
▶3番目は「胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)」で、腰椎骨折が約70%、胸椎骨折が約30%を占めている症例です。
▶4番目は「足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等」で、アキレス腱断裂によるものが多く、外果骨折が全症例の約50%を占めています。
▶「骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし」は、1件を除いて予定外入院となっています。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数(全国)以外を「-」表示しています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 29 23.72 20.60 13.79 86.55
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 17 18.35 15.70 23.53 66.65
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 15.42 15.57 16.67 72.42
010060x2990221 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病2あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 37.17 29.31 50.00 81.42
010060x2990421 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病2あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 11 40.55 29.26 45.45 79.82
▶最も多い症例は「誤嚥性肺炎 手術あり手術・処置等2なし」で、全症例中約95%が救急入院です。
▶2番目から5番目は「脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)」で、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞によるものが多く、約95%が救急入院の症例です。4、5番目の副傷病ありの症例では副傷病として誤嚥性肺炎が最も多く選択されており、次いで心房細動などが選択されています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 58 2.22 2.44 0.00 70.45
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 10.78 7.57 0.00 73.22
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 17 14.12 6.78 0.00 74.12
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし 17 5.29 4.51 0.00 72.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 14 16.21 13.52 21.43 82.29
▶最も多い症例は前年度同様「前立腺の悪性腫瘍」で、前立腺癌の疑いによる前立腺針生検を目的とした予定入院です。原則1泊2日で検査を実施します。
▶2番目は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし」で約60%が予定入院です。全症例で末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの)を施行しています。
▶3番目の1つ目は「膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算」で約95%予定入院の症例です。
▶3番目の2つ目は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし」で、全症例で経皮的シャント拡張術・血栓除去術を施行しています。
▶4番目は「腎臓又は尿路の感染症」で急性腎盂腎炎によるものが多く、約90%が救急入院です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 26 - - - - - 1 7,8
大腸癌 11 11 27 25 - - 1 7,8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
5大癌と呼ばれる胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の患者数を初発のUICC病期分類および再発に分けて集計しています。
【UICC分類】
国際対がん連合(UICC)によって定められた「①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無」の3要素によって各癌を「Ⅰ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するもの
※一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、同一患者さんに入退院を繰り返した回数分をかけた延患者数とする。

▶令和5年度は、大腸癌の患者数が最も多く、次いで胃癌、乳癌、肺癌、肝癌の順になります。
▶当院で確定診断されないものについては、ステージ分類ができないため不明となっています。
※患者数が10未満は「-」表示しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 21 16.90 77.38
重症 18 12.83 84.67
超重症 - - -
不明 - - -
成人市中肺炎では、次の項目にいくつ該当があるかで重症度分類をしています。
「1.男性70歳以上、女性75歳以上 2.BUN21mg/dl以上または脱水あり 3.SpO290%以下(PaO260Torr以下) 4.意識障害あり 5.血圧(収縮期)90㎜Hg以下」の項目で重症度を分類します。該当項目数が0は軽度、1~2は中等症、3は重症、4~5は超重症となります。
▶約40%が中症等です。
▶軽症の平均年齢は54.60歳、超重症は89.80歳となっており、重症度が高くなると平均年齢も比例して高くなっています。
▶令和4年度と比較すると中等症と不明のもの以外はすべて増加しており、特に重症患者が大きく増加しました。
※患者数が10未満は「-」表示しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 134 28.51 80.53 18.66
▶心原性脳塞栓症が最も多く、次いでラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞となっています。
▶当院では、救命救急センター・急性期一般病棟・地域包括ケア病棟(以下「包括ケア」)を併設しており、超急性期から回復期まで自院で提供することができる体制を整えています。
▶包括ケアを除く病棟での平均在院日数は、「発症から3日以内」では29.01日、「その他」では28.00日となっています。
※公表に係る集計条項等に基づき、「発症3日以内」と「その他」を合計した数値を表示しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 69 0.12 1.06 0.00 69.68
K654 内視鏡的消化管止血術 36 1.19 7.33 5.56 75.92
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 32 1.88 8.97 6.25 75.03
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 1.43 10.53 6.67 84.53
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 19 1.05 5.58 0.00 72.95
▶最も多い手術は、前年度同様「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)」で、大腸ポリープに対して内視鏡的に切除するものです。
▶2番目は「内視鏡的消化管止血術」で、内視鏡を用いて消化管の出血を止血するものです。
▶3番目は「内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの」で、十二指腸にある主乳頭という胆管と膵管の出口を内視鏡を用いて切開するものです。総胆管結石などに対して施行したり、内視鏡的胆道ドレナージなどの他の手技の補助として施行されます。
▶4番目は「内視鏡的胆道ステント留置術」で、胆管腫瘍や結石で胆汁の流れが障害され、黄疸や胆管炎になっている症例に対して、胆管の出口から内視鏡を用いてステントを挿入して胆汁の流れをよくするものです。
▶5番目は「内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)」です。内視鏡を用いた治療(EMR、ESD等)を行うもので比較的患者の身体負担が軽く、早期悪性腫瘍の患者に対して施行されるものです。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 22 3.59 11.18 9.09 79.36
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 21 1.24 1.86 0.00 73.57
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 14 2.43 7.64 0.00 74.79
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 12 0.17 23.33 8.33 69.83
K597-2 ペースメーカー交換術 11 0.91 4.64 0.00 74.18
▶最も多い手術は「ペースメーカー移植術(経静脈電極)」で、心臓に電気刺激を与えて心拍動を起こさせる装置である人工ペースメーカーの移植が施行されます。
▶2番目および4番目の手術は、「経皮的冠動脈ステント留置術」で、狭くなった冠動脈内において、正常な血液循環を再開することを目的としています。不安定狭心症、急性心筋梗塞、その他に分けられます。
▶3番目は「四肢の血管拡張術・血栓除去術」で、動脈硬化などによる血管の狭窄や閉塞をカテーテルで拡張したり、ステントを留置したりすることで元通りの太さの血管にする治療です。また、血栓によって閉塞した場合はその血栓を取り除きます。
▶5番目は「ペースメーカー交換術」で、現在挿入されている人工ペースメーカーを電池が切れる前に新しいものと交換する手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 28 1.43 2.93 0.00 70.93
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 26 4.12 14.42 3.85 72.96
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 19 0.00 1.00 0.00 64.11
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 19 0.84 4.37 0.00 59.16
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 15 1.47 2.47 0.00 69.20
▶最も多い手術は「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)」で、鼠径ヘルニア疾患に対して施行された腹腔鏡による切除術です。
▶2番目は「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」で、S状結腸癌、横行結腸癌、上行結腸癌、下行結腸癌に対して施行される切除術です。腹腔鏡下手術とはお腹の中に腹腔鏡という細長いカメラを入れ、お腹の中の様子をテレビカメラで見ながら細長い鉗子という器具を使って行う手術です。低侵襲で開腹手術と比べて日常生活への復帰が早いというメリットがあります。
▶3番目は「下肢静脈瘤血管内焼灼術」で、下肢静脈瘤疾患で弁不全の静脈にレーザー照射を行うことで静脈を焼灼し、血管を閉塞させる手術です。低侵襲で日常生活への復帰が早いというメリットがあります。
▶4番目は「腹腔鏡下胆嚢摘出術」で、胆のう結石症や胆石性胆のう炎疾患に対して施行される胆のうを取り出す手術です。腹腔鏡下手術ですので、2番目の腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術と同様のメリットがあります。
▶5番目は「ヘルニア手術」で、鼠径ヘルニア疾患に対して施行された開腹による切除術です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 52 2.90 9.52 1.92 66.75
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 49 5.49 27.82 42.86 80.51
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 26 0.27 2.08 3.85 61.38
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 12 6.42 28.08 41.67 81.33
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 - - 24.00 - -
▶最も多い手術、2、5番目は「骨折観血的手術」で、骨折部を手術的に開き、直接整復と内固定を行うもので件数の多い順に大腿、前腕、下腿、上腕、足、鎖骨、膝蓋骨、指、となっております。
▶3番目は「骨内異物(挿入物を含む)除去術」で、骨折観血的手術で内副子(ねじ、ポレート、髄内釘など)固定を行ったのち、骨癒合が完成してから内副子の抜去を行うものです。
▶4番目は、「人工骨頭挿入術」で、大腿骨頚部骨折に対して行うものです。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 30 2.33 7.20 0.00 77.37
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 24 7.00 8.21 0.00 73.63
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 18 2.11 2.06 0.00 71.22
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - 6.5 - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - 7.5 - -
▶最も多い手術は「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの)」で、膀胱癌に対する手術です。尿道から内視鏡を挿入して、膀胱内の腫瘍を切除する手術です。
▶2番目は「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)」で、腎臓機能が低下して、血液透析が必要になった場合や設置しているシャントに閉塞や狭窄が伴った場合に内シャントを設置する手術です。
▶3番目は「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」で、内シャントや人工血管が狭窄して血液が流れにくくなった場合などに先端にバルーンのついたカテーテルをシャント内の狭窄部に進め、そこでバルーンを膨らませ狭窄部を拡張する手術です。
▶「腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術」は悪性腫瘍の存在する側の腎臓か腎尿管を一塊として抽出するものです。
▶「経尿道的尿管ステント留置術」は尿道の入り口から膀胱へ内視鏡を入れ、尿管の入り口より尿道カテーテルの一種を留置するものです。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数(全国)以外を「-」表示しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 16 0.60
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
▶「播種性血管内凝固症候群」は、感染症などによって起こる全身の重篤な状態です。入院契機と異なることが多く、入院契機の一例としては消化管の癌やイレウスなどがあります。
▶「敗血症」は、感染症によって起こる全身性炎症反応の重篤な状態です。入院契機と異なることが多く、最も多い入院契機は誤嚥性肺炎です。
▶「真菌症感染症」は、真菌による感染症です。入院契機と異なる場合が多いです。
▶「手術・処置等の合併症」は、手術や処置後一定割合発生する病態です。透析シャント閉塞や狭窄によるものが多い傾向にあります。
※患者数が10未満は「-」表示しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
238 226 94.96%
肺血栓塞栓症は下部深部静脈等で形成された血栓が肺に運ばれて肺動脈が閉塞する病態をいいます。

リスクレベルについては、疾患や手術を低リスク、中リスク、高リスク、最高リスクに分類したもので、対象患者のリスクレベルは最終的には疾患や手術(処置)そのもののリスクの高さと付加的な危険因子を加味して総合的に判断されるものです。
▶リスクレベル「中」以上となる手術は当院だと外科の腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術や、泌尿器科の膀胱悪性腫瘍手術等の悪性腫瘍に対するものが多いです。
▶予防対策としては、リスクレベル「中」であれば弾性ストッキングの着用又は間欠的空気圧迫装置を用いた間欠的空気圧迫法、リスクレベル「高」であれば間欠的空気圧迫法又は低用量未分画ヘパリンの投与、リスクレベル「最高」になると低用量未分画ヘパリンと間欠的空気圧迫法の併用あるいは低用量未分画ヘパリンと弾性ストッキングの併用になります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
732 640 87.43%
細菌培養同定検査(血液)を行った実施日数の総計と該当検査を1日で2回以上行っている日数の総計を集計しています。

細菌培養同定検査は、細菌感染が疑われた際に診断のために検体を採取して培養し、細菌の有無、菌腫、菌量等を知るための検査です。
血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上の実施が推奨されています。
▶当院では尿路感染症や肺炎等によるものが多い傾向にあります。
▶診療科別に見ると循環器科の患者が50%となっており、うっ血性心不全や、誤嚥性肺炎などが入院契機となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
450 348 77.33%
▶抗菌薬にはそれぞれ殺菌作用、静菌作用を示すことが可能な細菌である抗菌スペクトルが定められています。
▶広域スペクトル抗菌薬は、抗菌スペクトルが広く、広範囲の細菌に効果が期待できる一方で、抗菌薬耐性菌も広範囲に選択してしまうリスクも留意する必要があります。
▶不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。
▶広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者の平均年齢は77.76歳で、当院では、タゾピペ配合静注用4.5「ニプロ」 4.5g、ピペラシリンナトリウム点滴静注バッグ2gNP生食100mL付 等の処方が多い傾向にあります。
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